2018年04月23日

本物抜き取り偽物を封筒へ。神奈川で「カードすり替え型」窃盗急増。

本物のキャッシュカードを偽物にすり替え、封筒などに入れた上で相手に返す。こうした「カードすり替え型」と呼ばれる手口の被害が県内で急増している。容疑としては窃盗に該当するが、県警では特殊詐欺グループが考案した新たな手口とみている。被害に遭ったこと自体に、すぐには気付きにくい側面もあり、県警は警戒を強めている。


年の瀬が迫った昨年12月中旬、川崎市中原区に住む80代の無職女性宅にスーツ姿の男が現れた。直前に金融庁職員を名乗る人物から、「あなたの口座から30万円が引き出された。キャッシュカードを使えないようにするため、口座番号や暗証番号を教えてほしい。また、被害額は補償可能なので、これから向かう男に確認のためカードを見せてほしい」と電話が入っていた。

女性が男にキャッシュカードを手渡すと、男は自前の1枚の封筒にカードを入れ、「封筒に上から印鑑を押すので、印鑑も持ってきてほしい」と依頼。女性が持って戻ると、男は封筒ののり付け部分に印鑑を押し、「確認は済んだので、間違ってカードを使わないようこの封筒に入れておきました。来週また連絡するので、それまでは封を開けないでください」。男はそう言い残して、立ち去った。

封筒の中身がコンビニエンスストアのポイントカードだったことに女性が気付いたのは、その日の夜。女性が同居する長女に、その日の出来事をなんの気なく話したときだった。

2018/4/20産経新聞

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